2023-24シーズン、サンアントニオ・スパーズは22勝60敗という厳しい結果に終わりましたが、今季は確実に昨シーズンよりも良くなるという期待が高まっています。
特に、ビクター・ウェンバンヤマが圧倒的なルーキーシーズンを経て、今季はNBAトップ20の選手として躍進することが期待されています。
また、クリス・ポールとハリソン・バーンズというベテランの加入が、若手選手たちにコート内外での勝ち方を教えてくれるでしょう。
今季のスパーズがどこまで成長するかに注目が集まっていますが、どの部分で特に改善が見られるのでしょうか?
昨シーズン、スパーズはリーグ全体でオフェンシブ・レーティング26位、ディフェンシブ・レーティング22位でした。
多くの改善点が見受けられますが、今回はスパーズが今季飛躍するために必要な4つの重要な領域を解説します。
1. 3Pシューティングの改善
昨シーズン、スパーズはNBA全体でスリーポイント成功率が28位にとどまり、2シーズン連続でアウトサイドショットに苦しみました。このためオフェンスの効率が低下し、チームのエースであるウェンバンヤマもその真価を発揮できませんでした。
この問題を解決するために、スパーズのブライアン・ライトGMはクリス・ポールとハリソン・バーンズというベテラン選手を獲得しました。
ポールとバーンズは昨シーズン、それぞれ37%以上のスリーポイント成功率を記録しており、この2人がデビン・バッセルとともにスタメンに加わることで、ウェンバンヤマのためにコートが広がり、オフェンスがより効果的になることが期待されています。
さらに、昨シーズンに不調だった選手たちの復調も期待されています。
例えば、ザック・コリンズは2022-23シーズンに37.4%の3P成功率を記録しましたが、昨季は32%まで落ち込みました。また、ケルドン・ジョンソンも2021-22シーズンの39.8%に近い成功率を目指す必要があります。
トレ・ジョーンズも、オールスター後の成績が42.1%と向上しており、彼の成長が本物であれば、スパーズには信頼できるシューターが増えるでしょう。
一方で、ジェレミー・ソーハンやステフォン・キャッスルなど、まだ安定したシュート力を証明していない選手もいますが、全体的に昨シーズンよりもスリーポイントの面で大きな改善が期待できます。
2. ターンオーバーの削減
クリス・ポールの加入は、スパーズのオフェンスの組織力を大幅に向上させると予想されています。
昨シーズン、スパーズは平均15.1回のターンオーバーを記録しており、1試合で20回以上のターンオーバーを犯すことも珍しくありませんでした。この問題は、ポールのリーダーシップで大きく改善されるでしょう。
ポールは昨シーズン、アシスト/ターンオーバー比が6:1という驚異的な数字を残しており、彼はNBA史上でも屈指のフロアジェネラルです。ポールがオフェンスの主導権を握ることで、スパーズの若手選手たちはより効率的にプレーできるようになるでしょう。
また、控えとしてトレ・ジョーンズがポイントガードを務めることで、ベンチユニットも安定した攻撃を展開できるはずです。
ウェンバンヤマのボールセキュリティも今後の課題の一つです。昨シーズン、彼は1試合あたり3.7回のターンオーバーを記録しましたが、これは彼がNBAレベルでのプレーに慣れていなかったためと考えられます。
彼の成長次第では、これらのターンオーバーが1〜2回減ることで、チーム全体のオフェンス効率がさらに向上する可能性があります。
3. ペリメーターディフェンスの向上
ディフェンス面では、ウェンバンヤマの存在が非常に大きな役割を果たしています。彼はNBAで最も影響力のあるディフェンダーの一人であり、そのブロック力でペイントエリアをほぼ完璧に守ることができます。
しかし昨シーズンのスパーズは、ペリメーターでのディフェンスに課題があり、相手チームのスリーポイント成功率は37.3%と高い数字を許していました。
今シーズン、スパーズは全体的に守備力が向上しています。ポールは年齢を重ねていますが、ディフェンスIQが高く、手堅い守りを見せるでしょう。バーンズもベテランとして重要な役割を果たしますが、1対1のディフェンスでは頼りすぎない方が良いかもしれません。
一方で、ステフォン・キャッスルはドラフトで最も評価されたディフェンダーの一人であり、限られた出場時間でも即戦力として活躍が期待されています。
ジュリアン・シャンパニー、トレ・ジョーンズ、ジェレミー・ソーハン、そしてデビン・バッセルも成長を見せており、ウェンバンヤマとともに強力なディフェンス陣を形成するでしょう。
4. ショットクオリティの改善
より質の高いオフェンス選手とベテランの加入により、スパーズのショットクオリティも向上すると期待されています。
クリス・ポールは、全盛期のようにディフェンスを切り裂くピック&ロールの名手ではないかもしれませんが、若手選手たちを正しい位置に導く役割を果たします。特に、ヴァセルやソーハンがオフボールで動き、ポールがオフェンスをコントロールするシーンは非常に楽しみです。また、ポールとウェンバンヤマのピック&ロールは、今季NBAで最も注目されるオフェンスの一つになるでしょう。
ベンチユニットも、ジョーンズやシャンパニーの活躍で効率的に機能するはずです。ケルドン・ジョンソンも飛躍のシーズンを迎える準備が整っており、ザック・コリンズは昨季の不調を払拭し、復調が期待されます。
ステフォン・キャッスルは、オフェンスのどんな場面でも対応できる頼もしい存在であり、リムアタックにおいても大きな貢献が期待されています。
これらの要素が組み合わさり、今季のスパーズはよりバランスの取れたオフェンス力を持つチームになるでしょう。
引用画像:San Antonio Spurs Photo Galleries
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