噂は絶えなかったが静かな動きをしたスパーズ
このオフシーズンサンアントニオスパーズは何もしなかった、というのは一般的に言われていることですが、それは実際に真実ではありません。
コアなスパーズファンにはお馴染みの Tom Petrini (KENS 5)記者が興味深い内容の記事を投稿されていましたので紹介します。
悪戦苦闘しながら和訳してまとめました。
温かい気持ちで読んでください。
スパーズは、
【何もしなかった】
というのは、大きなトレードがあると期待していた欲求不満のファンによって多く言われています。
トレードアップが噂されていたスパーズ
確かにスパーズはデローザン、オルドリッジ、ルディ、パティなどのベテランをトレードしてオコングーやアヴディアなどのトップ5ピックにスライドしたら大成功でシーズンを始められた可能性もあります。
またウォリアーズとアンドリューウィギンスを引き受ける代わりに、オルドリッジと2位指名権を手に入れてジェームズワイズマンを獲得できるという噂もありました。
このような憶測が劇的な変化に対する何かの良い希望に繋がりました。
これらの噂が一度出てしまうと一部のファンにとっては、何も起きなかった時に強いフラストレーションになることを意味します。
結果スパーズは11位指名権でデビン・ヴァッセルをドラフトしました。
今年のクラスで最高クラスのディフェンダーです。 トップ5ピックに近い評価でありスパーズが必要としていたものをもたらします。
41位ではトレ・ジョーンズを指名しました。
ジョーンズはNBAでバックアップポイントガードになるために必要なものを全て持っています。
ヴァッセルとジョーンズは本当に賢く謙虚で非常に高い人間性を持っています。
どちらも今後数年間はローテーションのピースになるでしょう。
この二人の指名はスパーズに強いメッセージを残した
ドラフトナイトの直後、多くのファンはガードが多すぎるという不満を口にしていました。
私もその1人でした。
しかしこのドラフト指名は強いメッセージがありました。
それは、
フォーブスとベリネリのペアを再契約しない
ということです。
この二人とは確実にポジションがかぶります。
二人が移籍することでホワイト、ロニー、ケルドン、ヴァッセルのようなヤングコアがローテーションで40分獲得します。
またホワイトかロニーのどちらかがスターターに滑り込む可能性があり、セカンドユニットではベリネリのバックアップ SFの役割をケルドンが引き受けるでしょう。
ヴァッセルはカワイ以来、どのスパーズのルーキーよりも早くローテーションに加わるでしょう。
コロナウイルスの影響で短縮されたオフシーズンでは新しいチームメイトとプレイする時間は短いですが、他のプレイヤーとペアになっても適用性が高いプレイスタイルです。
ビッグマンの世代交代
スパーズはヤコブと3年27Mという金額で再契約できました。
またユーバンクス、ライルズとの再契約も大きいです。
ここ数年オフシーズンではビッグマンの流出が多かったスパーズにとって明るいニュースです。
しかもヤコブ、ユーバンクスとは単年では無く、3年契約するということを示しました。
この契約は、
オルドリッジがチームの長期契約に含まれていないこと
を示しています。
ビッグマンの世代交代を考えているのは明らかです。
リスク管理としてコンボフォワードを獲得
新戦力としてカム・レイノルズ、ケイタベイツディオップと契約をしました。
どちらともローテーションにすぐに入る 可能性は低いですが、怪我人が出た時にピンチヒッターとして入る可能性が高いです。
シーズンを通してバブルの戦術で戦うならば、ウイングへの負担が大きいため早期に必要となるかもしれません。
また今シーズンの2ウェイ契約は50日間 NBAチームでプレーが可能なので、実質ベンチ入りに近くなりました。
ラインナップを整理すると
ここで新加入・退団した選手を踏まえて新しいロスターを整理してみます。
ガード:
- パティ・ミルズ-6’0 “
- トレ・ジョーンズ-6’2 “
- クインダリー・ウェザースプーン-6’3 “
- デジョンテ・マレー-6’5 “
- デリック・ホワイト-6’5 “
- ロニー・ウォーカーIV-6’5 “
ウイング:
- デマー・デローザン-6’6 “
- ケルドン・ジョンソン-6’6 “
- デヴィン・ヴァッセル-6’7 “
- ルディ・ゲイ-6’8 “
- トレイ・ライルズ-6’9 “
- ルカ・サマニッチ-6’10 “
ビッグス:
- ドリュー・ユーバンクス-6’9 “
- ラマーカス・オルドリッジ-6’11 “
- ヤコブ・ポートル-7’1 “
デプスチャートはおそらく次のようになります。
1:デリック・ホワイト、パティ・ミルズ、トレ・ジョーンズ
2:デジョンテ・マレー、ロニー・ウォーカー、ウェザースプーン
3:デマー・デローザン、ケルドン・ジョンソン、デヴィン・ヴァッセル
4:トレイ・ライルズ、ルディ・ゲイ、ルカ・サマニッチ
5:ラマーカス・オルドリッジ、ヤコブ・ポートル、ドリュー・ユーバンクス
レイカーズのようにエースにサイズがある相手に対してはやや苦労するかもしれませんが、このラインナップは明らかに昨シーズンよりも優れたチームです。
スパーズは攻守で明らかに多様性を備えたロスターを構築できています。
トレードをしたり派手なフリーエージェントを獲得する必要はありませんでした。
ベテランの存在感
昨シーズンのクリスマスのころから、オルドリッジがストレッチ5としてプレーできることを証明しました。
オルドリッチがストレッチ5としてプレイして、ミスマッチをつく場合のみペイントに入ることができれば、豊富なオフェンスのオプションをヤングコアと共に 展開することができます。
またバブルでデローザンはヤングコアとともにゲームの流れを引き込むファシリテーターとして機能できることを証明しました。
デローザンとオルドリッジはこの豊富なアスレチックなガードとウイングを活用して、ピックアンドロール、ポップ、キックアウトを実行できます。
ヤングコアの持ち味を生かす
ガードとウィングのヤングコアはフロアを広げてアウトサイドから効果的にオフェンスを組み立てることができます。
彼らは全員昨年のスリーポイント成功数でリーグ平均を上回っていました。
またディフェンスでは長いウイングスパンとアクティブハンドを持つウイングが多く、昨年と比較してペリメーターやトランジションでのディフェンスは大幅に改善するでしょう。
トレードはあるか?
デローザンとオルドリッジの二人は経験豊富なベテランのスコアラー、ストレッチ5です。
そのスキルが必要なチームにとっては魅力的なトレードターゲットになる可能性があります。
パティとルディもその一部です。
特にシーズンが進みトレードデッドラインが近づくと、一部のフロントは将来のキャップスペース を多少無視してでも 補強に動くwin-nowモードになるチームもあるでしょう。
来年のオフにFAとなって見返り無しで失うよりも、そのニーズに合わせてドラフト指名権と交換してスパーズがリターンを得るという考え方もあります。
これはスパーズと選手たちがどう判断するかによるので、シーズンが始まってからしばらくしないと分かりません
結局のところ、コツコツいくしかない
ここまであくまでもポジティブな面を伝えていきましたが、 それでもウエストのレベルの高さを考えると厳しい戦いが予想されます。
ただ昨シーズンと比べるとトップシードのチームに圧力をかけることができる良いチームになるでしょう。
シーズンが始まる前にタオルを投げて、可能な限り最高のドラフトピックを取得する必要があると言う人もいますが、それはこのスパーズチームの精神に反しています。
グレッグポポビッチの下で具体化しています。
たとえイライラする期間があったとしても重要なことは、同じ場所で同じ岩を何度も何度も叩き続けることです。
これはジェイコブ・リースからのポップのお気に入りの引用の1つです。
「何も役に立たないように思えるとき、私は石工が彼の岩をおそらく100回叩き、亀裂が現れることはないのを見に行きます。それでも最初の100回の打撃で、それは2つに分割されます。それをしたのはその打撃ではありませんでしたが、以前に起こったことはすべてでした。」
スパーズの文化は継続されていく
サンアントニオは、主要なトレードややフリーエージェントを通じて(自発的に)チームを構築することはありません。
スモールマーケットでのロスターの構築はいいドラフトをして、才能を伸ばしてチームケミストリーを構築することに依存しています。
スパーズはそのシステムでかなりまともな実績を持っています。
コートでのアイデンティティは、タフなディフェンスをプレイし、GOODショットを狙い、次にお互いのためにより良いGREATショットを狙うことを中心に展開します。
過去5回のドラフトはそれを反映しており、何年にもわたって自分たちのグループを気に入ってゆっくりと構築した後、ようやくそれを最大限に活用する準備ができているようです。
スパーズはすでにまとめたものを信じる自信のあるチームのように動いています、そしてスパーズはそうすべきです。
今回のオフはより良いものを作り上げており、今年とその後の数年間で成功を収めるために準備を整えました。
フロントがベテランとトレードしてもしなくても、スパーズは次のドラフトでのトップ10ピックよりも、ウエストでトップ6シードの方がまだ近いです。
スパーズがありふれたアクション映画ではなく、基本的に完璧なチェスコンピューターのオフシーズンを採用したことは驚くべきことではありません。
NBA全体を見た後でも、がっかりすることはありません。
結局のところ、
【スパーズらしくコツコツやる】
これが方法です。
引用元
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